こんにちは、今日1月22日の早朝2時半から北九州の和布刈神社で行われた和布刈神事に行ってきました。
この神社は北九州市の関門橋の真下にあり関門海峡が目の前です。
ここは、平安時代今から約850年前源平の合戦『壇ノ浦の戦い』が行われたところです。
写真の対岸、明るいあたりが壇之浦。
この海峡の間はわずか600m程しかないのですが、国際航路となっており国内外の沢山の船舶がここを行き交っています。その狭さと潮流の速さゆえに海の難所でもあります。
神事は毎年旧暦の元旦(今年は1月22日)の大潮に行われ、白装束の神職三人が潮が退いた海に入り、和布(わかめ)と荒布(あらめ)を刈り取り神前にお供えする行事です。
(竹で組んだ松明の下、ワカメを刈り取る様子)
(↓刈り取ったワカメ、アラメを桶に入れ神前に奉納)
大潮とは太陽と月と地球が一直線に並ぶために太陽と月の二重の引力により地球が引っ張られ満潮と干潮の差が大きくなることです。
そして今日は海ベタにも関わらが穏やかで海も凪いで星が瞬く絶好の神事日和でした。
この神社の創建は1,800年前と言われ、神功皇后が三韓征伐に行く時に海神阿曇磯良(あずみいそら)から満珠・干珠を授かったということから、ワカメ・アラメをそれぞれ満珠・干珠に見立てて行われ創建当時から行われているという事です。
漆喰の闇の中に竹で編んだ松明を持った神職さんが篝火を掲げ、一方では鎌でワカメを刈り取り桶に盛る。
暦の上では最も寒さの厳しいこの時期に、白足袋に草鞋で狩衣をたくしあげ海水に入り海藻を収穫する。
通常の皮膚感覚では到底寒さに打ち勝てません。精神を集中して行うからこそ冬の真夜中にできる仕業だと思います。
神様への畏敬の念を持って古代から脈々と受け継いできた日本人の精神性の高さには恐れ入ります。
この神事を見ながら自分の内面も関門海峡のしおに浄化されたように思います。
ワカメは若芽とも言い換えられ、新しい生命の息吹と健やかな成長を祈願する意味もある様です。
月が一番暗い新月の日に潮が一番退いた時刻に行う和布刈神事。
人間の死から再生への変換、そして冬(死)から春(再生)への転換、暗闇からやがて陽がのぼり朝がやってくる。
全ての物事は陰陽(マイナスとプラス)から成り立っている。そしてそれが循環している。
「陰極まれば陽となす」という言葉がありますが、漆喰の真夜中に行う意義がここにあると思います。
それにしても、見学者の多さにはびっくりしました。臨時駐車場は満杯、境内にも沢山の人でごった返しており、改めて日本人の神への崇敬の気持ちには感心しました。
3時すぎに神事を終え、帰宅途中お腹が空いた肉体を満たすために北九州のソウルフードという『資さんうどん』によって、ガッツリと「牛とじ丼」🍲を食べました。
まだまだ、浄化が足りない様です😹。
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