少し前のニュースで『スコットランド女王メアリーの暗号書簡解読!』というものがありました。
記事↓
https://www.jiji.com/jc/article?k=20230213044104a&g=afp
(表題の絵はメアリーの処刑の様子)
”スコットランド女王メアリー・スチュアート”
この名前は日本ではあまり知られていません。
彼女は1542年にスコットランドに生まれ、1587年エリザベス女王(1世)によって処刑されました。
なぜ、処刑されたかというとエリザベス女王暗殺計画の疑いで。
彼女が生まれた16世紀、イギリスは複数のカントリーという国に分かれていました。
南のイングランド、ウェールズ、北のスコットランド、西にはアイルランド島があり。
そして南のイングランドには9歳年上のエリザベスがいました。
エリザベスは当時のイングランド国王の側室の娘で正当な王位継承者とはみなされていませんでしたが、巡り巡って女王に即位します。
一方、メアリーは生後すぐに父王がなくなりスコットランド女王になりますが、一旦フランス国王に嫁いで間もなく国王の死去によって故郷スコットランドに帰ります。
ただメアリーは、おばあさんがヘンリー8世のお姉さんであったため、イングランドの正当な皇位継承者でありました。
これをメアリーの取り巻きや周辺諸国の王達は自分達の権力に利用しようとしました。
これがのちにエリザベス女王暗殺計画の嫌疑をかけられ、メアリーは女王でありながらその地位を剥奪され犯罪者として19年間幽閉されます。
何度もエリザベスに無実を訴えますが、疑心暗鬼にあるエリザベスは全く聞く耳を持たず面会の申し出も拒否されます。
そして、長い幽閉生活から解放された場所は処刑場でした。
その幽閉生活の中で外部と連絡を取りあえる唯一の手段は手紙でした。
しかし、その手紙も検閲によりチェックされ、時には書き換えられたり届けられなかったりした様です。
そんな中、メアリーは独自に暗号を作り手紙にしました。
エリザベス女王暗殺計画はこの手紙のやり取り、つまり暗号によって行われていたということで、その暗号解読によってエリザベス女王暗殺計画が発覚しメアリーは処刑されます。
最初に書きましたように、メアリーは19年間幽閉生活を強いられます。
その罪状はエリザベス女王暗殺計画とは全く関係ないもので、処刑の原因は幽閉先から暗号により暗殺計画を指示していたというものでした。
未だにその真相は藪の中で、賛否両論があります。
そしてその暗号の手紙は今まで発見されませんでした。
しかし、今回偶然にもフランス国立図書館で手紙が発見され、その中の暗号が解読されました。
手紙には、幽閉中での病気の苦しみや外部から助けの手がないことへの愚痴などのごく普通の内容だということで、エリザベス女王暗殺計画に関する内容は暗号からは見つからなかったそうです。
解読はかなり難解だったようで、まだまだ続くようです。
しかし、栄華を誇ったエリザベス女王は独身だったので一代で終わりその後を継いだのは奇しくも、メアリー・スチュアートが産んだ男の子で、彼はイングランド、スコットランドを兼任する王となりそれからスチュアート朝が始まります。
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